ラストまで、変わらぬペースを。「アディゼロ ボストン 13(ADIZERO BOSTON 13)」レビュー

「アディゼロ ボストン(ADIZERO BOSTON)」シリーズは、世界最古の市民マラソン大会であるボストンマラソンの優勝者からインスパイアされ、1982年に発表されたランニングシューズ。
実際にボストンという名を冠したランニングシューズがリリースされたのは43年前ですが、ご存知の方も多いように、「ADIZERO」は日本発のプロジェクトで、アディゼロの名を冠したこのシリーズとしては、2010年から数えての13代目となります。
今や日本発の企画がグローバルにまで発展しており、トップレーシングモデルにまでアディゼロの名が付くようになっており、日本人としてとても誇らしいことですね。
そんなアディゼロシリーズ、その名の付くモデルはこんなにあります。
全体チャートはこんな感じ。
ボストン 13のコンセプトでもある「ラストまで変わらぬペースを。」と共に、まさにそのとおりだな、と納得する走行感でした。
では早速その理由を裏付けする仕様を見ていきましょう。
アディダス独自の低密度高反発素材「LIGHTSTRIKE PRO」を前モデル比13.8%増量しながら、全体で15gの軽量化に成功(27.0cm)。
公式スペックでヒール:36.0 mm / 前足部:30.0 mmと、前作12よりソールの厚みを減らしつつも、フォームのバランスを変えることでクッショニングをキープして接地感をアップさせた印象です。
アウトソールからちょっと覗いて見える、フルレングスのグラスファイバー製5本指ロッド「ENERGYRODS 2.0」は今作も継続搭載。
上記グラフィックのように、フォークのような8の字形状のものが、つま先からかかとまで入っています。
レーシングモデルだと、より反発性のある硬いカーボン製のロッドが使われているのですが、ボストンにはカーボンと比較してより屈曲性・柔軟性に優れたフルレングスのグラスファイバー製のロッドを採用。バランスの取れた適度な反発力で、序盤のオーバーペースを防ぎ、ラストまで最適なペースをサポートします。
これがキャッチコピーの「ラストまで、変わらぬペースを。」となるわけなのです。
トレーニングカテゴリーですが、フルマラソン以上のロングディスタンスレースにもきっと相性が良いと思います。
アディゼロといえば、定評のあるContinentalラバーも。
外側には、「アディゼロ アディオス プロ 4(ADIZERO ADIOS PRO 4)」で導入された新アウトソール「LIGHTTRAXION」を新たに採用しています。
ビジブル構造の軽量化アウトソールデザイン。
内側から見ると、ミッドソールのフォーム材の違いが良くわかります。
シュータンはハーフブーティータイプでフィット感も良好です。
キーカラーである「フラッシュアクア」は、まさにスポーツシューズな色合いですが、こうやってソックスで色を拾ってあげれば十分ファッションとしても取り入れられますよ。
各社でもリリースしている、プレート入り厚底レーシング兼トレーニングシューズと横並びの、お値段18,700円(税込)。
ですがこのボストン 13は、中厚底&フルレングスのグラスファイバー製ロッドという、他社とはまた違ったアプローチとフィーリングのため、厚底スタンダードな昨今のラインナップにおいて、履き分けのバリエーションになると思います。
6/4(水)発売です。
ぜひお試しください!
【アディダス ランニングシューズ特集ページ】
<著者プロフィール>
牧野 英明
BEAMS所属。キャリア約20年の中で、店頭とECスタッフを15年、2020年よりTIGORA by BEAMS
DESIGNのディレクターを務め、Alpen TOKYOオープンを機にアルペン ランニング ディヴィジョンアドバイザーに就任。
自身も熱心なランナーであり、フルマラソンベストは2時間47分44秒(東京マラソン2023)。ロード以外にもトラックレースやトレイルランにも積極的に取り組む全方位ランナー。
「走るに快適なファッション日常着」を体現する#いつでも10km走れるコーディネート は業界でも有名。
ファッション目線を取り入れた独自のシューズレビューをぜひお楽しみください。
Instagram: @makinohideaki